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原田泰治イベント日記
2008年11月3日[月・祝] 長野県上田市 別所温泉あいそめの湯にて
KUMAさん・泰ちゃんトークショー
久しぶりにKUMAと会いました。

KUMA(篠原勝之)とは、武蔵野美術大学の同級生。
KUMAとは、僕が学生時代につけたあだ名が現在も続いているのです。
当時KUMAも僕も貧乏学生でした。学生時代の写真を見ればわかります。
それでも希望は大きく将来の夢をはぐくんでいました。
KUMAは北海道・室蘭の出身で、学生時代、やたらとのんびりあちらこちらへと出没するので、僕はクマと呼ぶことにしたのです。

10月23日から11月9日まで上田市・創造館で「原田泰治の世界展in上田」が開催されました。開催中のイベントとしてKUMAとのトークショーが企画されました。
楽しいトークショーになりました。KUMAは独特のキャラクターの持ち主なので、作品を紹介しながら自分の生い立ち、子供のころの思い出を語りました。
KUMAは一見大胆で大ざっぱな印象を受けますが、いやいや、なかなか繊細の中に素晴らしい個性が光る作品を生み出しています。
トークショーの様子
トークショーの様子

大学時代の2人
大学時代の2人
現在の2人
現在の2人
僕は今回、どちらかといえば聞き役。でも会場は涙あり笑いありで2時間があっという間に過ぎました。同級生はいいものだとつくづく思います。その夜の酒はうまかったこと、一生忘れられません。

酒のつまみは、もっぱら先日出版された「走れUMI」の話題でした。KUMAは老人と子供をテーマにした児童文学をこれからも書き続けたいとのこと。それに大学時代の同窓会を、冬の信州・諏訪で二人が幹事になり開こうと約束しました。つまり、クマが冬眠している時期にちょうどいいのではとの発想からです。

苦労を共に味わいながら、今日まで芸術の世界で生き続けている同級生。やっぱり、そんな同級生はいいもんです。

KUMAホームページ:http://www.kuma-3.com/
2008年10月4日[土] 長野県上田市にて
上田ガスホルダーのラッピング
全国どこにでもある球形のガスホルダーは、皆さん一度は目にしたことがあると思います。
なぜか、不思議なことに薄緑色なのです。それぞれ地域によっていろいろなデザインがほどこされています。

上田市から、駅前のガスホルダーのラッピングを依頼されたのが一年前。9月には完成させたいとのことで、僕は1ヶ月ぐらいかけデザインに取り組みました。そもそも、「ようこそ○○○へ」などのコピーと、地元の名産や花などがラッピングされていることがほとんどだということが資料などでわかりました。

そこで、上田市の場合、豊かな自然に恵まれ、人々の心を癒してくれるところに注目しました。
人間は自然と仲良く付き合っていかねばならないわけですから、「自然と友だち―上田 Friends of Nature Ueda」をコピーに決めました。それから美しい山、森、清らかな千曲川、それに蝶とミミズクを色彩鮮やかにデザインしました。
何しろ大きく球形のガスホルダーだけに、あまり複雑なデザインより、シンプルで心に残るものに決めたのです。それに高速で走る長野新幹線から見ても楽しく、印象に強いものにしてほしいとの要望が関係者から出されていました。
蝶とミミズクには、すべて上田のシンボル六文銭をあしらいました。これが全てにマッチして思わぬ効果が出ました。
ガスホルダー完成
ガスホルダー完成
真横から見たガスホルダー
真横から見たガスホルダー
ラッピングは、はじめプリンターで出力したものを使用する予定でしたが、耐久性の問題もあり、カッティングシートに変更しました。
僕のデザインを大きな球体のガスホルダーに張り付ける作業は作業用のクレーンを使い何日もかかりました。出来上がったものは素晴らしいもので、現場での作業をしてくださった人々に感謝の気持ちでいっぱいです。
こうして約束の9月上旬、ガスホルダーのラッピングは完成しました。大人から子供まで楽しみ、親しんでほしいと言う目的は達成できました。
皆さんも、上田駅前ですので機会がありましたら、僕の画家とは違うもうひとつの一面、デザイナーの仕事を見て下さい。
2008年10月4日[土] 長野県上田市にて
上田電鉄別所線・電車ラッピング
地方どこのローカル線も存続の危機がさけ叫ばれています。
上田電鉄・別所線も乗客が減少し続けています。
そんな中、別所線を愛する市民の皆さんが、「別所線の電車に乗って」という絵本を発行したり、いつまでも別所線を走らせようとする力を合わせた市民運動をしています。

そんな別所線の新導入車両に、僕のデザインでラッピングを依頼されました。ガスホルダーに続き、これだけの大きく、しかも2両編成の電車のデザインは初めてです。しかも電車ですから、駅に停車する以外はつねに走っているので、その動きにも考慮したデザインでなくてはならないのです。
まず、上田駅前のガスホルダーのラッピングと同じように自然をテーマにしました。ガスホルダーと手をつなぐように、植物・昆虫・動物を子供から大人まで楽しく親しんでいただこうと、18種類のデザインを作りました。それに、電車も「自然と友だち1号」にしました。勿論、2号も同時にデザインをしました。

僕なりのデザインを進めてきましたが、上田市の街の中で夏ホタルが見られるとか、どうしても名産のリンゴを入れて欲しいとの要望も次から次へと出されましたが、車両の長さ、全体のバランスなどから、18種類の中で全てをおさめました。
ガスホルダーと同じくイラストの模様は上田市のシンボル、六文銭をすべてのデザインに使いました。「六文銭が何個あるでしょう?」とみなさんに数えていただくのも楽しみの一つになるでしょう。
100個以上使ったことだけは、皆さんにそっとご報告しておきます。
ホームに電車が到着
ホームに電車が到着
自然と友だち1号車
自然と友だち1号車
10月4日(土)には、別所線「自然と友だち1号車」の発車式が上田駅で盛大に行われました。
僕もラッピングした電車がどんな形で仕上がったのかわかりません。
期待でいっぱいでした。
ホームに車両が入ってきました。正面のデザイン、それに側面のデザインも思った通りの仕上がりで安心しました。

出発式には、幼稚園の子供たちが童謡を何曲か歌ってくれ、ホームに可愛らしい声に包まれました。電車が到着すると、車両のデザインひとつひとつに「あっ、バッタだよ」「カタツムリだね」「かわいいね」と喜んでくれました。これだけの声が聞ければ僕としては大成功です。
一人でも多く楽しい別所線に乗っていただくのが、このラッピングの目標です。それに車両の前で記念写真を撮っている観光客の人も多く見かけました。これも、嬉しいことです。

今は美しい自然、特にこの時期の山々が色づいたのどかな田園地帯を別所電鉄は今日も走っています。
2008年1月28日[月]
「お嫁入り」贋作報道について
1月26日、僕が1983年に描いた朝日新聞日曜版掲載の「お嫁入り」という絵の贋作が売られていたことがわかりました。

その日、その絵を購入された方が諏訪市原田泰治美術館へ来館し、ちょうど展示中であった「お嫁入り」を見て、贋作であることが発覚したのです。

この贋作は、52cm×44cmの縦型で、油絵で描かれており、絵の中に「Taizi」とサインがありました。それに対して僕の絵は31cm×35cmの横型で、退色に強いアクリル絵具で描き、絵の中にはサインは入れていません。

第一、僕は絵を手放さないことにしてきました。

実は贋作が出たことがわかったのはこれで2度目になります。

2006年7月にインターネットオークションで、僕の「舟屋」という作品の贋作で「もやる舟屋」というタイトルの絵が出品されていました。その時は、落札になる前に見つかった為、被害を止めることができました。
「お嫁入り」(オリジナル)
「お嫁入り」(オリジナル)
贋作
贋作

「舟屋」(オリジナル)
「舟屋」(オリジナル)

贋作
贋作
前回の贋作と今回の贋作は、どうやら同じ人が描いたものであることが、絵を見比べるとわかります。僕はこの2枚だけではなくて、随分出回っているのではないかという気がしてなりません。

僕は以前から、絵というものは僕の子供みたいなもので、今まで手放さずにいたので贋作が出たということは非常に悲しいし、正直怒りを感じています。

もしも、どこかで僕の原画と称する絵と出会ったら、必ず諏訪市原田泰治美術館、またはこのホームページへ問い合わせて下さい。みなさんにこれ以上ご迷惑をかけたくないからです。
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